「さっきの試験お前は合格だ。」

部屋について開口一番、土方さんにそういわれた

ということは、私は晴れてここの隊士になったということか。

良かったよかった。


「ありがとうございます。」


「だが、どこの隊に属すかはまだ
 未定だ。
 今日の所は解散。
 齋藤、平助の代わりに部屋を案内してやってくれ」


平助さんは試合の後、気を失い、今は自室で休んでいる。


「分かりました。」


皆さんが部屋から出た後、斎藤さんに部屋まで案内してもらった。


「ここがあんたの部屋だ。」


「わざわざありがとうございます。」


「何かあったら呼びに来る。
 それ以外はあまり外に出ないほうがいい。

 迷うだけだ。」

「はは、そうですね・・・」


私は苦笑い。
きっとこの忠告には、屋敷内を無暗に歩き回るなという牽制も含まれているのだろう。

あー、怖い怖い。
もしかしたら、いまだに怪しまれているのかもしれない。
もしくは、鳳の跡取りに成りうる私を保護という名の人質にするのかもしれない。

鳳の名は、確かに危険が伴うけれど…
まだ、本名を明かすわけにはいかない。
私の名は、鳳の名以上に危険だと言われたのだから。
だから、わざわざ偽名を使っているのだから。





部屋に入ると
すごい埃だらけ。

全く、こんな埃だらけの部屋で
生活できるかってーの。

・・・仕方ない。
少し、掃除しますか。


襖を開いて、さっそく掃除に取り掛かるのだった。