「急な話なんだが、近々お前は、18歳の誕生日を迎える」



あ、そうだ。

そろそろ私の誕生日だ。

もう18歳か~、早いなあ。



「それで、先見の巫女の記念すべき18歳の誕生日ということで天皇の主催する宴に呼ばれている」



…はい?



「日時は誕生日当日。


 つまり、あと半月もないな。


 その日のために、所作もろもろを会得してもらう。」



「いきなり言われましても!!」



「…お前なら出来る。」



「えぇ!?」



「それに、天皇に口上を述べればよいだけだ。

 その内容と、あとはほんの少しの所作を覚えるだけで良い。」



んな無茶な。

簡単なことのように言ってのけてるけど、意外と難しそう…



「千春にやらせても良いが、今回は顔を見せなくてはならない。


 …一生、先見の巫女は千春だと天皇に知らせることになる。」



それは、避けなければ。

…これは私が持って生まれた使命。

乗り越えて行かなければならない壁。



私は息を整え、宣言した。


「私、必ず、『先見の巫女』として、天皇様の御前に参ります」