…そんなにも私の両親は素晴らしい方だったのか


なんだか、両親に比べて私って…(泣)



「義兄さんはね、呪術者だったんだよ。


 まあ、陰陽師って言ったほうが分かりやすいかな。


 私と姉さんも陰陽師の家系だけど、義兄さんは水野家の次期当主だった。


 許嫁もいたよ?2人の関係に、周囲の人はあまり乗り気じゃなかった。


 でも、2人はそれを押し切ってまでも一緒になった。」




叔父様は目を閉じて、過去を懐かしむように言った。




「奏楽もお爺ちゃんと一緒にいたってことは、陰陽術その他もろもろは叩き込まれたんじゃないかな」



…確かに。


何のための修行かはわからないようなものばかりやらされてた気がする。


でも、剣術の修行は楽しかったな。

あ、あと弓も。




「それで、だ、奏楽。



 お前に重要な話をしなくちゃいけない。



 …心の準備はよいか?」



いきなり言われても。



なんて言えないからここは無言で頷く。