新撰組(仮)

『そう…


 こんなにも辛い運命を、本当は背負わなくても良いのに…


 でも、私があなたの母様だから…』




母様は悲しげに呟いた。


「いいえ、母様。


 私、そんなこと思っていません。」



私は、ひとつ深呼吸をすると母様に笑顔を向けた。




「私、母様たちの子供で良かった。」




『っ本当に…?


 奏楽、私、今まであなたになんて謝ろうか…』



母様の顔が見えなくてもなんだか、母様は泣いているような気がした。




「謝るなんてとんでもない。


 私は、とてもうれしいです。


 母様…


 私を生んでくれて、ありがとう」



『奏楽…』



これから、幾度となく襲ってくる困難にもめげずに立ち向かって行って。

その時、私たちは必ず、あなたの傍にいる。




『奏楽、ありがとう…』