新撰組(仮)

「けれど、私は・・・」



許せない。


何とも言えない、どす黒い感情が自分の胸をざわめかせた。




『勘違いしないで。
 今まで、おじいちゃんがあなたに真実を打ち明けなかった理由、分かる?』



「・・・?」



『あなたを、傷つけないためよ』



復讐に生きれば、あなたの優しい心は消えるでしょう。

さすれば、あなたは悩み、苦しみ、もがき続ける。

それを、防ぐためにすべての責任をおじいちゃんは背負っていたのよ。




そう言われても、私は涙を流すことができなかった。



泣きたいのに、泣けない。



今までは、泣きたい、なんて思ったことがなかったからよかったけど、今になるととても悲しかった。




『奏楽…


 あなたは、私の血を受け継いだがためにこれからたくさんの困難にぶつかるでしょう。』





母様は、まるで予言するかのように口を開いた。