新撰組(仮)

母の声を認識すると暗闇から、ぼうっと光がさした。



『奏楽・・・』



やっぱり・・・
母様だ




「母様・・・」



『…やっぱり、涙は流さないのね』



そう言われてはっとした。


会えてうれしいはずなのに、心が泣き叫びたいくらい喜んでいるのに、頬に伝う冷たい感触がない。



「違うの、母様・・・」



『大丈夫、ちゃんと母様は分かっているから。』



そうはいってくれるが、なんとも言い難い罪悪感に見舞われた。



『奏楽…


 決して、復讐をしようとはしないで。』




「え・・・?」




『復讐は負の連鎖を生むものでしかない。


 …虚しいものよ』