新撰組(仮)

うめき声を上げた父様に駆け寄った母様も、赤い血を流しながら傍に倒れた。



----なにこれ?



幼い私は、言葉を失ってその場に立ち尽くした。



運の良いことになかにいる男は私の存在に気づいていない。




「ふんっ、おとなしくいうことを聞いていれば事穏便にすんだものを…


 さすがの先見の巫女もこの事態までは予知できなかったか。」



私、この光景を知ってる…



見たことがある。




その後も私はその場に立ち尽くしたままで、呆然と両親の亡骸を見つめる事しかできなかった。




暫くして、おじいちゃんと数人の大人がやってきて私はおじいちゃんに抱きしめられた。




『奏楽、奏楽っ


 なぜ、なぜ…っ』



おじいちゃんはうつろな目をする私を見て、涙を流したが私は-------






涙を流すことができなかった。