新撰組(仮)

何回か景色が変わり、私は今、昔住んでいたであろう屋敷の廊下を歩いていた。




背格好はさっきと変わらず幼子のまま。


どうやら、これは私の昔の姿のようだ。



そして、今の私の意識はあるが行動しているのは幼子の私の意志のようだ。



ある部屋の前で止まると少しだけ襖を開いた。


そこには何人かの大人たちが私の両親と向き合う形で座っていた。



男たちは何やら両親に頼んでいるようだが、首を縦に振ろうとしない。


頑として首を横に振るばかりだ。





この光景が何日も続いていた。





そして翌日、私はいつものようにその襖の前で中を覗き見していた。



しかし、今日はなんだか様子が違った。


今日来ているのはいつもとは違う男で、しかも刀を握っていた。




母様を背にかばうように父様が前に出る。




刹那------



父様が、真っ赤な血を流しながら倒れていった。




「くっ」