「ハッ
　別に、それで俺が恋してるなんて証拠にゃなんねえだろ。」




証拠不十分だ。そんなことを言って土方はまた仕事に取り掛かろうとした。




「最近…
　奏楽ちゃんに元気がないんですよ


　いつも、明るく振舞おうと無理してるっていうか…


　なんか、見てられないんですよね」



沖田からの衝撃発言に土方はまたも振り返った。



「お前…」



------水野に惚れてるのか?



出かかった言葉を土方は無理やり押し込んだ。



それを察したのか沖田は目線を土方にあわせ、微笑んだ。





「僕は、奏楽ちゃんをそういう目で見ていません。


　土方さんこそ、そういういやらしい目で見てたんじゃないですか?」



「なっ」



「言葉に詰まるあたり、図星ですね?」



さっきまでの弱弱しい雰囲気はどこかに去って、代わりにいつも通りの沖田に戻った。