新撰組said


『知れば迷い 知らねば迷わぬ 恋の道』



「これ、新作の俳句ですよね?土方さん」




沖田は団子を食べながら見ていた土方の俳句集を見せびらかしながら言った。

土方は、実は鬼と呼ばれていながらも俳句を詠むのが趣味という可愛らしい一面も持っているのだ。・・・しかも、お世辞にも上手いとは言い難い俳句を。



「総司・・・ 
 てめぇ・・・」


土方はうつむき肩を震わせていた。


今にも抜刀しそうな勢いだ。



いつもならここでもっと茶化す沖田だが今回は少し違った。



「土方さん…


 奏楽ちゃんに恋してるんですか?」



「は…?」



いつもとは違う問いかけに土方は素っ頓狂な声を上げて顔を上げた。



沖田はにこにこしながら土方を見ていた。




「んなわけねえだろ。


 なんで俺が」



「でも、これは土方さんが恋してるって証拠ですよ?」




沖田は俳句集を持ち上げた。