目をあけて一番に入ったのは何処までもつづく澄み渡った空。


横を向くと、そこには、色とりどりの花が咲いていた。



そよそよと吹く風に花たちは揺れている。


その広大な花畑の真ん中で、私は目を開けた。



何度か、目を瞬かせると地面に手をついてむくりと起き上った。



起き上るときについた手のひらに感触に違和感を感じ、手のひらを見てみると------



私は愕然とした。


なんだか、おかしな感じはしたが、まさか、まさか・・・



-----両掌が幼子のように小さく、ぷにぷにとしていた。



その事実に目を見開いているとどこからともなく花畑を歩いてくるさわさわとした足音が聞こえた。



同時に、目の前が少し暗くなったので太陽の出ている方向に顔を向けたらそこには女の子がいた。



あれ?この子・・・



「奏楽ちゃん!

 これあげる!!」



そういってその子が出してきたのは、

------花冠?


それは、白、黄色、桃色などの花で作られた花冠だった。



私が食い入るようにじっと見つめていると、その子は腕を伸ばして私の頭にそれを乗っけてくれた。



目の前には、眩しいくらい輝いた笑顔の女の子。




やっぱりこの子・・・
------千春に似ている。