新撰組(仮)

「奏楽。


 今は、天皇が納める世ではないが、それでもお前の存在は大きい。
 
 歴代の先見の巫女も、天皇の弱みを握ろうとする者に狙われていた。

 お前が、先見の巫女であると世に知られれば、お前も狙われる。

 良いか、絶対に自分の身分を他人に知らせてはならない。」


叔父様は私の目を見てそう言った。


そして、続く言葉に目を見開いた。



「千春にももう会っただろう。

 千春はお前の影武者だ。」



「はい!?」


あまりの衝撃にすっとんきょな声が出た。



「私に影武者は必要ありません」



影武者ならば、私の代わりに命を狙われる可能性だってある。


そんな役を千春ちゃんにやらせるわけにはいかない!!


そこだけは引くまいと、叔父様をみらみつける。



「・・・本当に姉さんにそっくりだな」


ポツリと叔父様がしゃべった。


「え?」


「先代の巫女である姉さんも同じことを言っていたよ。


 姉さんも幼馴染を影武者にするなんて認めないと、一点張りだった。」



母様もって・・・?