新撰組(仮)

「じゃあ、大公位についてももう知ってるかな?」



わたしは無言でこくりと頷いた。



「…信じがたい話しかと思うだろうが、久佐波たちの話した内容は全て合っているはずだ。」



叔父様の口から真実を言われてももう、動揺はしない。


私は、自分の意志で真実を、あの声の正体を確かめようと動いただけだ。


おんなじことで何回も動揺していたらきりがない。




「先見の巫女の存在についてはもう、知っている通りこの国にとって絶対的で唯一無二の天皇をも動かす存在だ。


今は、徳川がこの国を治めているが近いうちに、どんどん徳川は没落の一歩をたどるだろう。


・・・その後に、この世を収めるのは天皇だ。


天皇がこの国の頂点に立つとき、先見の巫女であるお前も、天皇と同等またはそれ以上の存在になる」



叔父様の声は止まることなく、すらすらと私の耳に入っていった。


美しく、聞くものすべての者を感嘆させるその声で私の心を奈落の底へと導いてゆく。




----徳川の没落。


それは、何百年と続く江戸幕府の破滅を意味する言葉だ。


いままでだって、何度も幕府は滅びまた再建していった。
新しい将軍のもとで。


徳川が没落した後は、将軍ではなく天皇が頂点にたつだろうと叔父様は言う。


それは、きっと大きく国が変わることを意味するだろう。


今の制度が変わる。どう変わるのかはわからない。


はたまた、徳川が没落するのかさえ定かではない。


そうだ、これは叔父様の推測でしかないのだ。


まだ、未来が決まったわけではない。