新撰組（仮）

※

「何?
　来ないんだったらこっちからいく、よっ!」

パーン!!


「「「!!」」」


道場にいる奴ら全員がそれに驚いた


平助の一撃を受け止めたのだ。


そして続く剣戟の音。


「す、すげえ、隊長と互角だ・・・」

「あんな細い体してんのに・・・」


道場内は感嘆の声であふれていた


けれども、攻め続ける平助のほうが有利だと
道場にいる誰もが思った。


うん。まあ、こんなもんか。

だけど・・・


「っ、はあ、・・・
　こんなに止められるとは思ってなかったな・・・」


一身に攻撃を仕掛けていた平助の
体力の消耗は激しかった。


「そうですか?
　それはうれしいですね。」


平助さんの異常な量の発汗量、覚束ない足
…汗をかいて赤くなっていてもおかしくないのに、真っ白な顔色。


「でも、そろそろ終わらせましょうか。」


その一言で平助さんの乱れていた構えが直った。



「うぉぉぉおおおおおお!!」



ダンっ



「!!」


は、はやい…‼


「隙あり」


「ッ!!」


後ろから声が聞こえたかと思ったら、相手の顔を見る間もなく、視界が真っ暗に染まった。




「え・・・
　今、一体何が?」

「平助隊長が・・・
　倒れた?」


倒れ伏す隊長と、傍らに立つ新入りの男。

道場内は困惑に包まれた。



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