新撰組(仮)

まず、目の前に広がるのは汚れ一つない石畳。



その周りを、手入れされた色とりどりの植物が囲っていた。



大木には、まだ朝なのに鳥たちが止まっている。

どうやら、その木が鳥たちのすみかのようだ。



それも、少数ではなく沢山。



緑が多くて、気持ちいい・・・


思わず私は大きく深呼吸した。




手入れの行き届いた、素晴らしい庭園をもう少し見ていたかったがどうやらそうもいかないらしい。



今日、叔父様と私が会うことを知っているのはごく少数。


千春にも知らされていない。



この屋敷の女房たちに気づかれないように、ということでこんな朝早くになったらしい。



そんなことを考えていると、すぐに目的の部屋の前にたどり着いた。



前を歩いていた久佐波さんが振り返る。


その顔には、心配の色が浮かんでいた。



「心の準備はよろしいですか?」



その問いに、私は無言で頷いた。



ここは、笑顔で返事をすればいいんだろうけど、うまくいかなくて引きつった笑みを送るよりは、ヘタをしないほうが心配を煽らなくていいと思った。



「恭治様、久佐波です。


 奏楽様をお連れいたしました」