一番に、山南さんのいつも通りの笑顔を見れればなにも思い残すことなく叔父様に会いに行ける。



・・・叔父様にあいにゆく勇気をくれたのも山南さんだった。


あの時、相談に乗ってくれていなかったら、きっと現実から目を背けていただろう。



山南さんには感謝してる。


だから、何か山南さんにあったら、今度は私が助けてあげなくちゃ。






その日、巡察から帰ってきたとき、近藤さんに呼ばれた。


何事だろうと、部屋に向かうと、すでに幹部のみんなが揃っていて、1人近藤さんは険しい顔をしていた。


その表情を見て、胸がザワリとした。


よからぬことがあったのだと思った。



私が席に着くと、永倉さんが切り出した。


どうやら私で最後だったようだ。



近藤さんは重く口を開いた。



「・・・山南君が、腕を怪我した」



その一言で部屋の空気が変わった。


重く、硬い空気だった



「腕!?

 じゃあ、山南さんは・・・」



「・・・剣を振ることはおろか、握ることも難しい」



あぁ。やっぱり、そうなんだ。