新撰組(仮)

その笑顔に齋藤さんは見とれている様子だったが、すぐに我に返って訂正した。



「俺は、そこまで大層なことはやっていない。



 それに藤原。


 様付けはやめてくれと言っただろう。」



その指摘に、千春はあら、と奏楽よりも上品に笑った。



「申し訳ありません。


 覚えているときは「さん」づけなのですけど・・・


 すぐに忘れてしまって・・・」



ふぅーと、ため息をつく姿まで優雅だった。



私…


女として、一生千春に勝てない気がする



しかもどうやら、千春の様付けは頻繁にあるようだ。



尊敬する人には様付けする癖があるのだろう。



・・・齋藤さんには、それだけじゃない気がする。




「千春。


 お茶を持ってきてくれる?」



「かしこまりました」



千春が出ていったのを確認して、齋藤さんのほうに視線を向ける。




「齋藤さん・・・」