新撰組(仮)

「いや。


 俺は特に何もしていない。



 ・・・それよりも、あの後、隊士たちが屍のようになっていたぞ。



 お前に礼を言われる筋合いはない」



素直に認めない齋藤さんに沖田さんが茶化した。




「そーやって、一君は。


 素直にありがたられてればいいのに。


 素直じゃないなあ」



その発言にむっとした様子だったが、齋藤さんは照れて赤くなった顔を隠そうと軽く咳払いした。




「そうですよ、齋藤さん。


 あそこで、齋藤さんが駆けつけてくれてなかったらどうなっていたか・・・」




頬に片手をつき、優雅にため息をついた。




「こういう時は素直にお礼を受け止めてください」



「・・・」


恥ずかしいかったのか、齋藤さんはなかなか首を縦に振ろうとしない。




「本当ですわ、齋藤様。


 齋藤様があの時、襖を開けてくれたから助かったのです。


 ありがとうございました」



千春は深々と頭を下げた後に、輝かしい笑顔を齋藤さんに向けた。