新撰組(仮)

水野は、俺の腕をつかんでそれに寄りかかり、向かい合うようにしていたから、表情が良く見えた。



これは明らかにさっきより、ひどい。



顔面蒼白。今の水野にピッタリな言葉だった。



表情が険しくなるにつれて、荒かった呼吸ももっと荒くなった。



そこで、正常な呼吸でないことに気づいた。


多少荒いだけかとも思ったが、明らかに違う。


時折、吐く息に交じって「ひぃ」という声が聞こえた。


-------過呼吸。



だいじょうぶか、そう問おうとしたら腕にかかる力がふっと軽くなった。



それと同時に目の前の体がずるりと倒れこんだ。



そこですかさず、腰に腕を伸ばして、水野の体ごとぐいっと引き寄せた。




それでも、水野は目を瞑ったまま、荒い呼吸を繰り返していた。



俺は、顔を近づけてそっと水野の唇に触れた。




そして、ゆっくりと自分の息を水野の口に吹き込んだ。



しばらくその状態でいると、水野の呼吸が遅くなって正常な速さに戻った。




それでも腕に寄りかかる体を不思議に思い、顔を覗き込んでみると安らかな寝息が聞こえた。



寝ているのだと気付くと、とたんに体から力が抜けたが、気を引き締め、奏楽の体を横抱きにした。



まったく・・・

心配したこっちの気もなれって・・・



そしてそのまま土方が、奏楽を自室まで運んで行った