新撰組(仮)

私は一瞬考えたが
本当のことを言うまでもないと判断し
嘘半分と事実半分混じったことをしゃべった


「私には両親がいません。
 
 今まで育ててくれた祖父が、鳳の先代でこの前、亡くなりました。
 女子ということで後を継ぐことのできない私ですが、唯一、先代の血を色濃く受け継いだということで、跡継ぎにとの声が上がりました。しかし、それをよく思わない人もいます。跡継ぎ問題が苛烈する前に、祖父が…私を、外へ逃がして、くれたんです…」


目に溜まる涙。
それを見せないように顔を俯け、泣いていることを気づかれないようにする…か弱い可憐な可哀想なでも頑張ってるていう女の子に見せるためにちょっとよよよって、泣き崩れる。




「そうか、なるほど。
 だから娘1人で旅していたのか。」


全て話し終えると近藤さんは目を押さえながら
泣いていた。


「うっうっ、そんなことが・・・
 悲しいことを聞いてしまって悪かったな。
 娘1人で旅など・・・

 娘!?」

「お、お前、女だったのか!?」


土方さんの言葉で、私が女だってことに気づかなかった人たちが驚く。


待て待て、私、自分で女子だって言ったよね?
なんで土方さんが言ってから驚くの?!



「馬鹿だなあ、左之。
 そんなこともきづかなかったのか。」


「左之さんもまだまだだね‼」


「お前らだって昨日は、気づいてなかったじゃねえか。」


土方さんの言葉にうっと言葉を詰まらせるしんぱっつあんさんと平助さん。



「局長、鳳君はどこからどう見ても
 娘かと・・・」

「何!?
 それは真か!!
 
 ううむ・・・
 ならば紫水君、ここで我々と一緒に
 暮らそう!!」



は、何この人、本気?
いやまあ、毎日の宿代とか食事とか考える必要ないのは助かるけど…



「ちょっと待て、近藤さん!!」


「娘一人で旅など・・・
 
 これも何かの縁、一緒に暮らそうじゃないか!」


土方さんの静止の声も聴かず、ごり押ししてくる近藤さん。


いいんですか?
ここに暮らしていいっていうならここで暮らしちゃいますよ?
楽だし。




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