「まっ頑張れ!」
知哉の肩に手を乗せ、二人がくっつくことを祈る。

「お前に言われなくても、頑張るっつーの。」

まぁ確かに、私なんかが応援しなくても、知哉はずっと千明を想い続けて努力してきた。

鈍感な知哉だけど、そんな一途な部分だけは尊敬できる。


「じゃあ杏も行くかなー。千明行っちゃったし。呼び止めてごめんねっ。」

「いや別にいいよ。ってか気付かなくて悪かったな。」

「ううん。」

「じゃあ俺らも行くか。」

「ああ。」

「杏はあっちだから、また。」

「おう。」

「しゅんちゃんも、まったね~!」おもいっきり笑いながら、わざとそう呼んだ。

「あっこら…。」
駿が何か文句を言いたい顔になったが、私は逃げるようにその場を立ち去った。


駿をからかうのは楽しい。意外と可愛い反応をしてくれる。


"しゅんちゃん"って呼び方、気に入ってしまった♪