「なんだって…?」 まさに、渡りに船。 マドック刑事は警察内でも優秀な部類だ。 そんな彼と同じ発想ができるということは、彼女もなかなかに頭の切れる人物に思える。 信用して良さそうだ。それがトレイシー警部の決断だった。 「よしきた。じゃあバネッサ、協力してくれ。」 「はい、喜んで。」 だが喜びを口にする時も、バネッサは表情を全く崩さなかった。 ここまで感情を隠せるものなのかと疑問に思うが、信用すると決めたのだ。 トレイシー警部は手を差し出し、バネッサと堅い握手を交わした。