こん、こん、こん……… 「?」 監視室の扉を控えめに叩く者がいた。 「……………。」 入って来ない。 入室の許可を待っている…ということは、警官ではないのだろうか。 アネリか?とトレイシー警部は考え、 「ああ、どうしたお嬢さん。何か心配事か?」 真っ直ぐ扉へ向かうと、そのノックの主を室内に招き入れようとした。