すると、今まで無表情だったパーシバルが、喜びでパッと顔を輝かせた。
「承知致しました、お嬢様。
ふふ…うまくいけば、久々に旦那様からご褒美をいただけるかもしれませんね。」
その言葉の意味は、二人にしか分からない。
ただひとつ読み取れるのは、常に仏頂面のアネリがこの時ばかりは、
とても生き生きとした表情を見せたこと。
「……くしゅん!」
「ああ、身体が冷えてしまいますね。さあどうぞお嬢様。」
小さくくしゃみをしたアネリの肩に、パーシバルが優しくバスタオルを掛ける。
彼女に代わり、タオルの上から身体をさすって暖を与えようとするのだが、
「…ねえ、」
「はい。」
「いくら相手がパーシバルでも、タオル一枚越しに身体を触られるのは嫌だわ、あたし。」
アネリがぴしゃりと言うと、パーシバルはほんの少し顔を赤らめてすぐに手を離した。



