が、 掴んだと思った腕には感触が伝わってこなかった。 「…っ!?」 アネリの肩に触れる寸前、マドックの腕は別の人間の手によって取り押さえられていた。 空を掴むマドックの手。 それを掴むのは、 「…失礼ですが、予告状の犯人が判明するまでの間、お嬢様に触れさせるわけには参りません。 私には、あなた方警察を心から信用する気はありませんので。」 さっきよりも一層冷たい眼差しでマドックを見下ろす、パーシバルだった。