「じゃあこれから人員を増やすから、お嬢さんは悪いが、部屋で待機しててくれ。
おいマドック、電話。」
「…はい警部。」
まだ釈然としないマドック刑事に指示を出すと、彼は渋々ながら部屋の外へ。
ばたん、とドアが閉められたのを確認すると、
「んー良い匂いだな。
あ、オレは角砂糖を3個入れてくれや。」
トレイシー警部は急に嬉しそうに紅茶を楽しみ始めた。
あんなに張り詰めていた緊張感が一瞬で消え去り、アネリは思わずガクリと椅子から落ちそうになる。
が、すかさず支えてくれたパーシバルによってなんとかずり落ちるのは回避できた。



