ただし、
「でも、あたしに警備はいらないわ。パーシバルがいれば充分だから。」
「はあっ!?」
「っ!?」
トレイシー警部とマドック刑事がまったく同じタイミングと同じ表情で驚いた。
当然だ。
狙われる可能性が一番高いのはアネリなのに、当人の警備が手薄になるなんて本末転倒。
しかしアネリも、そしてパーシバルも本当に充分という顔をしている。
「私のお役目の多くはお嬢様への奇襲を防ぐこと。
予告されているならむしろ好都合です。
たった5日間、一睡もせずにいればいいのですから。」
彼らの感覚は規格外もいいところだ。



