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応接間にて皆で紅茶を楽しむ…なんていう状況にはなりそうもなかった。
トレイシー警部がいつになく緊張な面持ちをしているからだ。
「お嬢様、お砂糖とミルクはお入れになりますか?」
しかしそれに構わず、パーシバルだけはかいがいしくアネリの世話をする。
可愛らしい薔薇のティーカップはアネリ用。
それに注がれる紅茶もアネリお気に入りの葉だ。
「ううん、あたしはいらない。」
しかし今の状況的にアネリは自重することを選んだ。
本当は砂糖もミルクもたっぷり入れたいが、真面目な話の手前、自分だけ楽しむわけにもいかないと考えたのだ。



