パーシバルを連れ玄関に向かうと、そこにはトレイシー警部とマドック刑事の姿。 マドック刑事は凛と立って待っているが、トレイシー警部はどこか落ち着きなく屋敷内を見回している。 ここは別荘とはいえ豪邸だ。出入りする機会の少ない彼にとっては珍しいのだろう。 そして見回していた視界の端にアネリの姿を捉えると、 「あぁお嬢さん、悪いね朝から。」 すぐによそ見をやめ、いつもの調子で話し掛けてきた。