アネリに体の心配をしてもらったことでパーシバルのテンションは有頂天になった。
普段旦那様にも見せないようなとろける笑顔を浮かべる。
だが服の大部分が真っ赤に染まっているため、極上の笑みもただの猟奇シーンにしか見えないから残念だ。
「…これはお見苦しいものを…。」
そう恥じらいながら持っていたハンカチで傷口を押さえつける。
薄手のハンカチはすぐに赤くなってしまった。
「見せて。」
見兼ねてアネリも、自分のハンカチを傷口に宛がう。
厚手のハンカチは二人ぶんの涙と大量の血を含んでもまだ色を保っていた。



