「いえ、私なら大丈夫です。」
しかしパーシバルはそれを拒んだ。
当然トレイシー警部は苦い顔をする。
というのも、パーシバルが致命傷を負ったにも関わらず病院へ行かないのは、今回が初めてではなかったのだ。
「…てぇ言ってもなぁ。
あんたの体が人より丈夫なのは知ってるが、万が一ってこともある。
弾が貫通したならともかく、体ン中に残ってるのは厄介だ。
なんで避けなかったよ?避けられない状況ってワケじゃなかったんだろう?」
確かに、デボンはピストルの扱いなんて全くの素人。
その気になれば撃たれる前にピストルを奪い取ることもできた。
しかしそれをしなかったのは……、



