デボンが戦意喪失したあの後、アネリは彼を別荘の一室に隔離し、その後トレイシー警部に連絡したのだった。
「ゲームのオニを捕まえたから引き取ってほしい」と。
「休暇のために別荘に来たってのに、これじゃあ気が休まる暇もねえな。
まあ安心しな。こわーい犯人は、オレ達警察がちゃんと拘置所にぶち込んでやる。
敵討ちだか何だか知らねえが、ガキを手にかけようだなんてクズ野郎のすることだ。」
トレイシー警部の喋り方はいつも荒々しい。
まだ幼いお嬢様に移っては大変と、パーシバルはこの口調をやめてほしいと考えていた。
「ポイントが増えるって考え始めてからむしろ楽しく思えてきたわ。
それに今回もパーシバルが助けてくれたから大丈夫よ。
ありがとね、パーシバル。」
「お嬢様…っ!」
小さな悩みもアネリの言葉であっという間に吹き飛んでしまうのだから不思議だ。



