男は心の叫びを口に出す余裕もなく、パーシバルを見上げる。 「――――ッ!!」 銃口が額に押し付けられてやっと恐怖感が湧いてきた。 殺す側から死ぬ側に回ったという恐怖感だ。 異常な展開を見せるのはパーシバルだけではなかった。 今さっきまで後ろで泣き崩れていたアネリも、 「殺す必要なさそうよ。 まだこの人にもちゃんと罪悪感とか残ってるみたいだし…。」 ハンカチで上品に涙を拭き取り、パーシバル以上に涼しい顔でそう言った。 パーシバルが不服そうに男を見下ろして、舌打ちをする。