「うわ、お嬢ちゃんその顔…。 仕方ねぇな、ちょっと来い。拭ってやるから…。」 子供好きらしい乗降係はくしゃくしゃのハンカチを取り出し、アネリの口元に宛てがおうとした。 が、 「……失礼。見ず知らずの方に、お嬢様に触れさせるわけにはまいりませんので。」 すぐ後ろから、さっぱりとしたシャツとサスペンダー姿の、いつも通りのパーシバルが現れた。 額の風穴も塞がって、痕も残っていない。 ポケットから取り出した綺麗なハンカチで、アネリの口元を丁寧に拭った。