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一週間の休暇の、最後の日。


外出を許されたアネリは、パーシバルだけを連れて市場に繰り出していた。



今日は町でもっとも規模の大きな感謝祭の日。

町を埋め尽くさんばかりの数の露店には、フルーツ飴や紙製のカンテラやガラス玉の飾りなど、子供心をくすぐる商品がずらりと並べられている。


そして広場の中央には、二人掛けの椅子のついた小さめの観覧車が一台、シンボルとして置かれていた。



「綺麗な赤毛のお嬢ちゃん、ちょっと乗ってかねぇかい?」


観覧車の乗降係の男が、パイン飴を舐めながら歩く、赤毛の三つ編みの少女に声をかけた。


「え?」


振り返ったアネリは、柄にもなく口の周りを水飴でベタベタにしていた。