「…でもね、そのマドック刑事の代わりに、上司のトレイシー警部が責任を取らされるの。 きっと軽くないはずよ。」 《トレイシーが?》 アネリを護ってくれるとあって、ルロイとトレイシー警部は互いをよく知る仲だ。 言わば友人。 「パパ、犯人を捕まえればあたしにご褒美をくれるのよね?」 《ああ、そうだよ。》 …本当は、 ご褒美としてアネリは、ルロイと過ごす“時間”が欲しかった。 だが、今はそれよりも、 「トレイシー警部を助けてほしいの。」