よくよく考えてみれば、今までもおかしなことばかりが起こっていた。 アネリを救い出した時といい、ドアを蹴り飛ばした今といい、“護衛”ということを抜きにしてもその俊敏さは人間離れしている。 体中を撃ち抜かれても平然と歩き、不眠不休でも倒れもしない。 更には、確実に有毒ガスを吸い込んだはずなのに死ななかった。 「……お、お前…、何だ…? “何”なんだよ、お前ッ!?」 おかしな話だ。 だが極限に立たされたマドックの頭は確信した。 パーシバルが“人間”であるはずがないと。