「…………いっつ…。
……たかがメイドが。私の邪魔をしないで下さいよ。」
殴られた頬が真っ赤に腫れ上がっている。
口の中を切ったために唇の端から血が滴り、それを拭いながらマドックはよろよろと立ち上がった。
そのまま、バネッサに触れないように横を通り過ぎると、そのままアネリの傍へ真っ直ぐ歩いて行った。
バネッサのうめき声も聞こえないふり。
もう使わないと判断した拳銃を懐に戻して、マドックはその場にしゃがみ込んだ。
「…貴女のような子供に可哀相なことをしたと思っています。
…でもねアネリさん、これはチャンスなんですよ?
罪を償うこと。贖罪のチャンスです。
だからそのために私が貴女を粛正しようとしたんです。」
“粛正”。
それは今回の発端となった予告状に記されていた言葉。



