「…き、奇襲だッ!!! 全員その場に伏せてッ!!」 マドック刑事が金切り声を上げた。 銃弾の届かない窓の陰に隠れ、バネッサも頭を抱える形でその場に伏せさせる。 「クソッ、クソッ…、クソッ!!」 ――バンッ、バンッ! 拳銃を取り出し、こちらも応戦する。 だが向こうにはまったく命中しなかった。 けれど今更備えたところでもう遅い。 恐れていた被害者が、出てしまった。