改めて主従の絆を見せつけられたところで、まずはこの停電を何とかしなければ。
しかし発電装置を直そうにも、自分達は整備士でも電器メーカーでもない。どうしたものか。
「お嬢様、わたくしにお任せくださいまし。」
そこで名乗りを上げたのは、なんと戦力外と思われていたバネッサだった。
「お屋敷の装置と似た型であれば問題なく直せますわ。
どうぞわたくしをご信用ください。」
「でも暗くて危ないわよ…?」
アネリは至極もっともな意見をする。
停電のせいで別荘内は真っ暗闇。時折光る雷が唯一の明かり。そんな中を地下室まで下りるだなんて危険だ。
が、バネッサは引き下がらない。
「もう目が慣れてまいりましたわ。
故障の具合にもよりますので、修理は長くても今日一晩かかると思われます。
その間は決してパーシバルから離れないでくださいましね。」



