「……んッ、ふ、…っ…!!」
呼吸を阻止されたアネリは当然、苦しげにもがく。
が、パーシバルはその手を離そうとはしなかった。
暗闇でも確かに伝わってくる異常事態。
「…パーシバルさん…?
何があったんですか。アネリさんの声が…っ。」
マドック刑事の問いにも、
「パーシバル。お嬢様を…。」
バネッサの投げ掛けにも、
パーシバルはすぐに答えない。
「…………………。」
アネリの口を塞いだまま、彼は暗闇の中で唸るような声を上げながら、
「はい。お嬢様の呼吸を封じています。」
なんとも素直に、
だがとても冷徹に答えた…。



