ざわり、と、
微かに空気が変わった。
「……はい。はい、その通りでございます、お嬢様。
確かに漏電火災などの危険を減らすために、発電機はそういった自動停止の機能を備えているはずです。」
パーシバルは瞳をぐらぐらとさせながら、アネリの言葉を何度も何度も頭の中で繰り返す。
気付けなかったことに不甲斐なさを感じているのではなく、
アネリがそれに気付いたことが、彼にとっては狂おしいほどに嬉しかった。
「…とすると、停電は犯人の想定外の出来事だったと?」
マドック刑事だ。
アネリは答える。
「ええ、多分。
それにもしあの時停電が起こらなかったら、きっと殺人の順序も逆になってたと思うわ。」
「…え?」



