「ボウガンによる射殺に感電死に狙撃…。
リトル・レッド社に恨みを抱く者が社の製品を使用しての復讐かと思われましたが、どうも一貫性が感じられません。
心肺蘇生装置はリトル・レッド社の製品ではありませんし、そもそも社は電力機器を扱っていませんので。」
興奮を何とか抑えながらパーシバルがそう断言する。
リトル・レッド社についてなら彼のほうが詳しいため、アネリもバネッサも否定しなかった。
「ってことは、南米のテロ事件の線も薄くなるかしら?」
「…はい、お嬢様。
代表的な事件ですが、ボウガンが用いられた小さな事件は他にもたくさんありますので…。」
「そう…。うん、そうよね。」
せっかく手掛かりになったと思ったのに。そう少しだけ気落ちしてしまったアネリを、パーシバルが血相を変えて慰め始めた。
ご立派です、ご聡明です、と大袈裟な誉め言葉が飛び交う。



