邪魔者が増えたせいで暴走気味になっているパーシバルを注意した直後だ。
――カッ!
窓の外が一瞬だけ真っ白に染まった。
何事かと振り返るアネリ。
少し遅れて、
――ゴロゴロゴロ…ッ!!
雨雲が地響きのような唸りを上げた。雷だ。
「…雨足は強くなる一方。
おまけに稲妻の兆しまで。
これがミステリーか推理小説なら絶好の舞台ですね。」
マドック刑事が冗談を言うのは珍しいことだった。
「しゃれてるわね。
だけどこういう状況で言わないでほしかったわ。
しゃれにならないから。」
「…あ、これはすみません、不謹慎でしたね…。」



