心労の原因が何も使用人の死だけでないことをアネリが自覚してきた頃、マドック刑事が代表して今後の動向を説明し始めた。
「この無差別な予告殺人も残すところ、今日を含めあと二日となりました。
…失礼な言い方ですが、そろそろアネリさんが狙われても不思議はありません。
なので身辺警護を固め、どこへ行くにも何をするにも、我々三人と行動を共にして下さい。」
「…早い話がみんな纏まって生活しなきゃいけないのね。
カルガモのヒナみたいに。」
警護はアネリに付いていくのだから、この場合のヒナは彼ら三人だ。
自分よりずっと背も高く大人な三人がヒナだと想像すると、沈みそうな気持ちも少しは持ち直せた。
「お嬢様、お気に障ることがございましたらすぐ私におっしゃって下さいね。
…何とか混乱に乗じて二人を始末致しますので…。」
「パーシバルそれ警護が手薄になるって分かって言ってる?」



