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「つまりバネッサもパーシバルと一緒にあたしの護衛につく…ってことでいいのね?」
「左様ですわ、お嬢様。」
可愛らしい髪型にしてもらって、気持ちがほだされたのだろうか。
アネリは、バネッサがここに居たいのなら別に居させても構わないと考えていた。
と言ってもメイドの彼女には、パーシバルどころか普通のボディーガード程度の力もないだろうが。
「気持ちはまぁ嬉しいけど、パーシバルは一度に何人も護れないわよ?」
念のため釘を刺しておく。
引き返すなら今だと。
だがバネッサは相変わらずの無表情で、
「いざとなったらわたくしのことはお見捨てになって下さいませ。
パーシバルはどうぞお嬢様の警護のみにご専念なさいまし。」
「ご安心なさい。元より貴女を護るつもりはありません。」
パーシバルは間髪入れずに言い返した。



