「そうか、そうか。
ではお嬢様がもし、お前ではない別の誰かを護衛にしたいと言ったらどう思う?どう感じるかね?」
意地悪な質問だ。
考えるまでもない。
「…決まっています。私はまた“嫉妬”するでしょう。
得体の知れない人間にお嬢様を任せるわけにはいきません。
…なので当然“殺意”も湧きます。」
得体の知れないという意味ではパーシバルが上位だと思われるが。
とにかく仮にアネリが自分ではない別の誰かに信頼を置くなら、きっと自分は激しい嫉妬と殺意を感じるだろう。
―――マドック刑事の時も…。
アネリがマドック刑事を気にかけた時も、今まで感じたことのないひどく苦しい気持ちになった。
あれが嫉妬だということは自分でもハッキリと気付いた。
「………先生。あの時、私は確かに嫉妬していたのです…。
図らずもお嬢様のお心を奪おうとしたマドック刑事に…。」



