今度はパーシバルが押し黙る番だ。
旦那様から与えられた使命と、お嬢様のせっかくの心遣いの間でぐらぐらと揺れ動く心。
本当はずっと傍で彼女を護っていたい。
だが今の不調のまま警護にあたって、もしもアネリを護りきれなかったら…?
―――そんな最悪の事態になるよりは……。
あまり信用ならなくても、数の多い警察に任せたほうがいくらかは心強いか。
パーシバルは自分に無理矢理言い聞かせ、無理矢理納得させ、
「…お嬢様、くれぐれも無茶なことはなさらないで下さいね。
私との約束です。
守って下さいますね…?」
そう言いながら、小指を差し出す。
約束の証だ。
アネリは自分の小指をパーシバルの小指と絡めて、
「ええ、約束する。」
指切りをした。



