「…二日目の二人目の犠牲者ってわけか…。」
トレイシー警部がつぶやく。
アネリは無言で頷き、
「…………。」
パーシバルは何も反応を示さない。
本来なら気を遣ってアネリを部屋に帰すべきだろうが、二人がそれを良しとするはずがないことくらい分かってる。
トレイシー警部は言葉に気をつけながら、二人に状況を説明し始めた。
「お嬢さんの食事係だったそうだな。
衣服を着たままバスタブに放り込まれてた。死因は感電死だ。
外傷が無いから、薬か何かで眠らされてからここへ運び込まれたんだろう。
ちなみに、浴室の鍵のひとつは彼女のポケットに入ってた。」
トレイシー警部がつまみ上げたビニール袋には、水に濡れた鍵が一本入っている。
そして彼が顎で示した先には、用途のよく分からない、アイロンに似た機械がコンセントに繋がったままバスタブから引き上げられていた。



