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速やかにトレイシー警部に連絡を取ったために、野次馬が群がる前に警部によって現場保存ができた。
第一発見者のアネリとパーシバルもその場に残ることになる。
「…………。」
アネリは息絶えたドリーの姿を見つめた。
死体や体の損傷を見るのには慣れているはずなのに、
さっきまで、…いや今まで、自分の世話をしていた人間が死ぬというのは、悲しさとも悔しさとも取れない気持ちになる。
だんだんと重苦しい顔に変わっていくアネリの手を、パーシバルはさりげなく握った。
アネリもそれに応えるように、ぎゅうっと握り返した。



